■狂言回し
主人の罪をかぶって許しを乞う(〈ああ!みなさまお許しを〉)みじめな稼業につくづくうんざりしているのに、金貨をちらつかせられるとつい首を縦に振ってしまう俗物根性。
いわばドン・ジョヴァンニの「闇」の部分の請負人ともいえるレポレロだが、それゆえにレポレロは、ドン・ジョヴァンニのまさに分身でもあるのです。
ドン・ジョヴァンニの「歩く影」とでも言ましょうか・・・?
影が生きるのは光あってこそです。
主人を失ったレポレロは、どこか放心しています。
非業の死を遂げたとはいえ自分の主義に殉じたドン・ジョヴァンニより、自分の反射鏡を突然失ってしまったレポレロの方が、この譜誰劇の主人公によりふさわしいのかもしれません。